「マーキュリー通信」no.2599【「中小企業M&A成功のノウハウ」セミナーに参加して 】
日本商工会議所の紹介で、日本M&Aセンター主催の「中小企業M&A成功のノウハウ」セミ
ナーに参加しました。
M&Aに関しては、10年前は何か後ろめたさを感じる経営者が多かったそうですが、少子高
齢社会が進展し、後継者難で悩む中小企業経営者が多い現在、M&Aは周りから祝福される
時代となって来たそうです。
事実、少子高齢社会の日本では、2011年から人口減社会に突入しました。同時に、就業
人口(20~64歳)不足が益々深刻となっています。
2000年に7873万人だった就業人口は2025年には6559万人に減少し、2060年では4105万人
まで減少し、深刻な問題となっています。
現在、ドライバー不足が深刻で、運送業界ではM&Aが活発となっているそうです。居酒屋
チェーンのワタミでも人手不足が深刻で、大規模な閉店を余儀なくされています。
さて、中小企業に目を転じると、3社に2社の中小企業で事業承継者がいないそうです。
そこで、M&Aに活路を見いだす企業が急速に増加しているそうです。
事業承継の最大のネックとして自社株の購入があります。事業承継できるような中小企
業の場合、たとえ資本金が一千万円であっても、企業価値として数億円の場合も多々あ
るそうです。その場合、従業員が事業承継をすることは事実上不可能となります。
M&Aの際、重要なことは機密保持と、買収した企業が相乗効果が得られるかです。
M&Aには様々な形態があり、必ずしも同業他社でないケースも多々あるそうです。
例えば神奈川県の億千万両という和菓子の老舗があります。この会社を買収したのは、
食材の販社でした。
和菓子メーカーと食材販社が結びつくことで相乗効果が生まれてきます。
買収金額は、時価純資産+営業権となるそうです。
M&A成功の秘訣として、譲渡企業と買収企業のトップ同士が腹を割って酒を酌み交わすこ
とだそうです。この時、波長が合えば、M&Aは良い方向に向かうだろうし、逆に波長が合
わなければ、その時点でM&Aは見合わせた方が良いとのことです。
M&Aブームのせいか、私のところにも顧問先より昨年1件事業承継の話があり、無事事業
承継が終わりました。
現在も2社ほどからM&Aの話がありますが、これも時代の流れでしょうか。
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