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2015年5月15日 (金)

「マーキュリー通信」no.2656【事業の多角化で繊維会社から大変身を遂げた日清紡ホー ルディングスの経営戦略】

昨夜の一橋新経済人倶楽部では、日清紡ホールディングス代表取締役河田正也社長に「事業の多角化で繊維会社から大変身を遂げた日清紡ホー

ルディングスの経営戦略」という演題で語っていただきました。

日清紡は世間一般的には繊維会社というイメージですが、事実河田社長が日清紡に入社
した1975年当時は、繊維の比率は8割を占めていたそうです。
それが2015年3月期の決算では売上高5237億円の1割弱(9%)に低下し、
繊維会社から完全に脱皮し、大変身を遂げました。
現在では、売上の4割をレクトロニクス部門、3割をブレーキ部門が占めるなど、
事業構成は大きく変わっています。

同社の多角化の遠因は戦時中にあったそうです。当時の国家総力戦の下、国家レベルで繊維以外の
各種製品や部品の製造が重要な課題となり、また要求もされたそうです。

その種が戦後徐々に開花して行きました。

同社は繊維事業を意図的に縮小していったのではなく、時代の流れと共に売上の減少が
続いていったそうです。
その間、事業の多角化を図っていく過程の中で、繊維の売上比率は、売上の絶対額以上に低下し、
現在の9%まで落ち込んだそうです。

同社は、3年後の2018年3月期では売上高6000億円、ROE(Return On Equity)9%を経営目
標に掲げています。
これは現在の会社業績5237億円、ROE6.0%から見るとかなりchallenging な目標です。

その為に、既存事業の強化、R&Dの加速、M&Aの積極展開を図っています。

河田社長は、昨日の一橋新経済人倶楽部でも「仕事は借り物、人は本物」であることを
力説していました。人を大事にする経営があったからこそ、現在の日清紡があるものと
理解できました。

河田社長は、吉田松陰を産んだ長州の出身だそうですが、是非この意欲的な経営目標に
チャレンジして、経営手腕を発揮することを願っています。

◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆

河田社長の、プレゼンを聞いて、PPF(Product Portfolio Management)の重要性を再認

識しました。

PPFは、自社の取扱商品群を金のなる木、花形商品、問題児、負け犬の4象限に大別され

ますが、このうち、花形商品に投資して次の金のなる木に育て上げる一方で、もはや会

社の足を引っ張るような負け犬商品からの撤退を経営決断の重要性を、大企業だけでな

く中小企業も重要であることをプレゼンを聴きながら感じました。

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