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2015年8月 2日 (日)

「マーキュリー通信」no.2720【奇人変人の異見-254「労働時間数を少なくするだけでは 労働者の幸福は計れない」】

いよいよ夏休みシーズン到来です。今では中小企業も含め、日本でも夏季休暇を取るこ

とが世間一般的になってきました。それでも中小企業の場合、1週間をフルに休む企業は
少数派で、3日程度の企業が多いようです。

日本企業の労働時間は、完全週休二日制が進み、現在の年間平均労働時間数は1725時間

となっています。365日から土日+年間祝日数10日間を差し引いた実労働日数は250日と

なります。1725時間を250日で割ると1日6.9時間の労働時間となり、私がサラリーマン時

代の勤務時間数と比べ圧倒的に少なく、日本の労働環境もずいぶんと進んだ印象を受け

ます。その陰の功労者がIT化と思います。

しかし、休暇大国ドイツの年間労働時間数は日本よりも18%短い1411時間(2011年)だ

そうです。1日5.6時間の労働時間となります。

ドイツの労働時間数が短いのは法律によるそうです。
その恩恵を受けて、ドイツ人が取得した有給休暇の平均日数は30日。これに祝日(10日

)を加えると、ドイツ国民は合計40日になるそうです。

年間労働日数は221日で、1日の労働時間数は6.4時間となります。

2011年のドイツの労働生産性(1時間当たりの国内総生産)は55.5ドルで、日本(39.8ド

ル)を39%も上回っています。

日本企業の場合、会議が非常に多いです。これを限りなくゼロにし、顧客とのミーティ

ング時間を電話に切り替えたり、メールでのやりとりをして、最大限カットしていけば

、労働生産性は更に向上していくと思います。
しかし、これらのモノの見方は一面的な感じがします。

私は労働という言葉には、何かマルクス主義的な労働価値説に基づいているので、余り

好きではありません。

それよりも仕事という言葉の方が好きです。又は、「ハタ」を楽にさせるから働くとい

う言葉も好きです。

仕事を通じて、人間的に磨かれ、自己成長していきます。その中に喜びを感じ、自己成

長を感じる時に、幸福を感じます。

私の年間労働時間数を計算すると1日9時間(9~19時)、1年を250日とすると2250時間と

なり、日本人平均を比べ525時間、30%も多く働いていることになります。
私の場合の労働は仕事、働くという概念なので、その意味では無報酬の非営利の仕事も

含めると仕事時間数は3000時間くらいになります。

しかし、私自身働かされている感覚はありません。現在は勤め人ではないので、組織か

ら自由であり、1日24時間の時間を全て私の好きなようにコントロールできます。そして

、仕事を通じて日々喜びや幸福を感じています。

労働時間数だけを単純に国際比較し、短縮していったら逆に人間疎外や燃え尽き症候群

が増えていくのではないかと思います。

企業は営利追求が目的です。労働時間数が短縮されれば、企業は生産性向上のために、

労働が強化されていきます。

事実日本でも鬱病患者数は100万人を突破し、厚労省は今年12月から50人以上の事業所に

メンタルヘルスチェックを義務づけました。

女性の管理職比率向上等最近は数字だけを追い求める傾向にありますが、数字以外のも

っと大事な視点も考慮することが大切と思います。

◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆

30年以上前にカナダに駐在していましたが、当時のカナダは完全週休二日制で、年間20

日の有給休暇を夏冬に10日間ずつ分けて取っていました。

土日をつけると夏冬それぞれ14日間の休暇をエンジョイしていました。

我々日本人は、夏だけ14日間の休みをエンジョイしていました。最初の1週間は旅行、2

週間目は自宅で休養していました。

カナダでは、有給休暇が余ると企業に買取が義務づけられていたので、会社側も従業員

に休暇取得を促進していました。但し、日本人は管理職なので対象外でした。

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