「マーキュリー通信」no.2936【マンション管理、7つの失敗とその回避策-8「第1回 大規模修繕工事の外してはならない最重要の位置づけ」】
第1回目の大規模修繕工事は、通常築13~14年目頃に実施します。
しかし、マンション管理がきちんと行われていれば、築13~14年目頃はそれほど目
立った修繕箇所はありません。修繕箇所は、鉄部塗装、廊下の張り替え、外壁の修理等
です。
それよりももっと重要な視点があります。それは自分の住んでいるマンションが欠陥マ
ンションでないか、手抜き工事がないかのチェックです。
昨年末に問題となった杭打ちの手抜き工事などは大きな社会問題となりました。
このような詐欺まがいの手抜き工事ばかりでなく、居住者には見えない施工箇所があり
ます。
例えば、
・「鉄筋のかぶり厚さ」:鉄筋の周りを覆うコンクリートの厚さ(=かぶり厚さ)が厚
ければ厚いほど、中の鉄筋はさびにくくなる。
→これが手抜きとなると、壁のひび割れが発生し、建物の老朽化が早まります。
・設備配管類の維持管理のしやすさ:設備配管が取り換えられない造り
→もしこのような造りなら、給排水管の交換工事はできず、別途給排水管工事が必要と
なり、莫大な費用がかかります。
阪神大震災以降、国は品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)を制定しました
。
品確法とは、販売業者に販売した住宅の性能を10年間保証義務を課した法律です。
具体的には、構造耐力上主要な部分(住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、土台、床版、屋
根版等)と屋根又は外壁等雨水の浸入を防止する部分に欠陥が見つかった場合、無償補
償義務を課しています。
従って、築9年目頃に管理会社、販売業者と利害関係のない第3者に建物の劣化診断を
依頼します。
この劣化診断で欠陥が見つからなければ、それ以降安心して住むことができます。
マンションは、欠陥がなければ、100年は住むことができます。つまり、欠陥マンシ
ョンでないことを確認できれば、自分の住むマンションを終の棲家とすることができま
す。これは精神的に大きな安定をもたらします。
劣化診断を基に、第1回目の大規模修繕工事費用を見積もることができます。これを基
に、理事会とは別に大規模修繕工事委員会を発足し、大規模修繕工事をじっくりと検討
することができます。
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