「マーキュリー通信」no.3127【ワンポイントアップの経営術-177「映画『海賊とよばれ た男』から学ぶ」】
昨日、映画『海賊とよばれた男』を観賞しました。
主人公国岡商店店主国岡鐡造(岡田准一主演)は、出光興産創業者出光佐三がモデルで
す。
本ドラマから多くのことを学びましたが、このメルマガでは経営者の視点で見てみまし
た。
ドラマは、終戦直後、国岡鐡造60歳の時からスタートします。
日本は戦争で全てを失い、明日の生活の糧もありません。しかし、国岡鐡造は全社員の
雇用を守ると宣言しました。
その為に、石油とは関係のない、ラジオの修理に手を出し、従業員の雇用を守りました
。
日本は戦争で石油の備蓄を失いました。
しかし、GHQは政府が隠している石油の存在を知ります。その石油を使ってから輸入を再
開するよう指示しました。
しかし、その石油は不純物だらけで石油として使えません。誰も不純物だらけの石油を
取り扱おうとしません。
そこで、政府は業界からつまはじきされている国岡商店に話を持ち込みます。
人足も敬遠するひどい作業現場でしたが、店主の熱意が従業員の心を動かします。
皆、戦地の経験があり、戦地と比べれば極楽だとの判断でした。
不純物だらけの石油は従業員の頑張りで販売できました。
次に輸入石油の段になるとメジャーの力が及んできます。石油会社はメジャーの力を恐
れて、メジャーとの提携に走ります。
唯一国岡商店だけが抵抗します。その結果、メジャーの邪魔が入り、石油を輸入できな
くなります。
そこで国岡鐡造は社員全員の反対を押し切り、国岡商店所有の日承丸をイランに送る決
断を下します。
当時、イランは英国支配下に置かれ、イラン石油を搾取していました。その権益を侵し
てイランに日承丸を送った場合、爆破されるリスクもあり、それこそ身命を賭した決断
でした。
戦争中、国岡商店は社員を戦死させるという辛い思いがあったので、まさに苦渋の決断
でした。
日承丸は英国の搾取に不満を持っていたイラン国民から大歓迎され、原油の供給を受け
ることができました。
帰路、米国の戦艦が迫り、威嚇してきます。しかし、船長は「日本とイランは独立国家
である。他国からの干渉は受けない。もし、攻撃するなら国際世論に訴える!」と拒否
します。
そして、無事日本に到着します。
国岡鐡造の経営哲学は、社員を大切にする経営です。
ミッションは、「石油は国策的な重要資源である。だからメジャーの支配を受けてはな
らない」です。
官僚や護送船団方式のやり方には徹底的に抵抗します。
それは日本を良くしたい一心から来ています。
今の日本に国岡鐡造のような経営者がいたら、官僚支配の国を脱し、もっともっと自由
な経済活動ができると思います。
最後国岡鐡造は95歳で亡くなりますが、最期の死に際に分かれた妻(綾瀬はるか)から遺
書が届きます。感動的なシーンでした。私も含め周りから嗚咽の涙が聞こえてきました
。
全ての経営者も含め、ビジネスパーソンにお薦めの映画です。
◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆
昨年大ヒットした、「シンゴジラ」と「君の名は」も観賞しましたが、『海賊とよばれ
た男』の方が遙かに感動的で、素晴らしかったです。
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コメント
出光佐三はこちらのブログでも紹介されていましたね。
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2217.html
2010年3月22日
>復員後、気力を失い、郷里に引きこもっていた青年がいたそうです。
その彼が、出光に辞職の手紙を書こうとした時、父親が彼を烈火のごとく叱ったそうです。
「お前が兵隊に行っている6年間、出光さんは給料を送り続けてくれたんだ。それが辞めるとは何ごとか! すぐ、出光さんにお礼の奉公をしろ。6年間、ただで働いて、それから帰ってこい!!」
当時の父親の気迫が伝わってきます。
青年は思い直したといいます。
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-3249.html
→並みの人間にはなかなか出来ないことです、「与える愛」でしょう。
泣けました。
投稿: はっちょ | 2017年1月21日 (土) 14時41分