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2017年3月16日 (木)

マスコミ報道とは異なる新生大塚家具 大塚久美子社長の講演を拝聴して

第24回一橋新経済人倶楽部は
株式会社大塚家具 代表取締役社長大塚久美子様による「新生大塚家具の事業戦略」でした。
大塚久美子社長の人気は如水会(一橋大学の同総会)でも抜群のようで、過去最高の65名が参加しました。

マスコミ報道では、「父と娘」の対立構造を作り上げ、国民的話題となりました。

父大塚勝久氏の会員制による高級家具路線、これに対し娘の久美子社長は、
会員制を止め低価格路線へシフトするという2極対立路線を作り上げてしまいました。

この歪曲報道により大塚家具は経営面で大きなダメージを受け、業績に悪影響を与えています。

大塚家具は、1928年埼玉県春日部市に久美子社長の祖父・大塚千代三氏が総桐箪笥の工房をスタートしました。

その後、1969 年に次男であった父・大塚勝久氏が独立し、大塚家具として創業しました。

現在ユニクロを始めとした新業態SPAが注目を浴びていますが、元々、大塚家具は家具製造販売業(SPA)からスタートしました。
即ち、創業以来、「お客様に質の高い商品をお求め易い価格で提供する」という
「家具版SPA」+「最低価格保証」を続けてきました。

大塚家具のミッションは「お客様に上質な暮らしを提供する」ことです。
お客様に長く愛用していただけるような家具が基本です。
その為に、耐久性、安全性を重視しています。

一方で、お客様のライフステージが変われば必要な家具やインテリアは変わってくるものです。
そこで大塚家具は今まで使ってきた家具を処分することに対して抵抗感や罪悪感を感じることなく、
今の生活にあったインテリアを手に入れていただけるようにするために、下取り・買取りと、
そしてその家具をクリーニング・補修し、次の使い手に繋ぐリユース事業を始めました。
大塚家具のミッション「上質な住まいづくりを通じてお客様の豊かな暮らしづくりに貢献したい」は変わりありません。

私もリユース品を店舗で拝見しましたが、びっくりするほど新品に近い状態に再生されていました。
今の家具に飽きたけれどなかなか捨てられないという日本人感覚に合っていると思います。

これに対し、ニトリの家具は消耗品です。従って、下取りはできません。
飽きたら買い換えることが基本です。

さて、顧客ニーズは、時代の変化と共に変わっています。

以前お客様は結婚、マイホーム取得、建て替えといった
ライフステージの変化に合わせて家具を「まとめ買い」で購入してきました。

しかし、現在はライフスタイルに合わせ、家具を少しずつ単品で買い足すようになってきました。

そこで大塚家具は、入店する際に手続きが必要だった会員制を廃止し、
来店時のハードルをなくすとともに、
店舗戦略も1万平米を超える大型店を全国主要都市に数少なく展開し広域集客する形から、
従来より少し小さくても全国のお客様が行きやすい場所に多数展開することで気軽に立ち寄っていただく中・小商圏の戦略に切り換えています。

そして、顧客ニーズは、従来の「安く良いモノを手に入れたい」という単なる「モノ」へのニーズから、
「安く上質な暮らしを手に入れたい」「自分の住生活がどう豊かになるか知りたい」という「コト」へシフトしています。

提案サービスの強化や、インターネット対応も必要となってきています。
商品とサービスのオムニチャネル化(ネットと店舗の連携)も必要です。

なお、メルマガ読者の方には、期間中(3月11日~4月2日)、にクーポン券を店頭でご提示いただければ、
特別価格(大塚家具価格からさらに5%OFF)にて提供してくれるそうです。
クーポン券をご希望の方は、私宛メールいただければ、お送りします。

大塚家具の経営戦略は明確であり時代の流れに即したモノです。
ニトリの経営戦略とは全く異なるので、新生大塚家具の経営戦略が顧客に浸透すれば、必ずや業績回復するものと確信しました。

同時に一橋大学の同窓生として大塚久美子社長を応援したいと思います。

◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆

大塚久美子社長のマスコミのイメージはクールビューティーといった感じですが、
素顔の大塚久美子社長は気さくな気遣いのできる優しい人柄で好感が持てます。

大塚久美子社長は、丁度私が一橋大学商学部に合格発表のあった頃に産まれた方なので、
今回更に親近感を持つことができました。

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