「マーキュリー通信」no.3287【クラフトビール市場の革命児「コエドブルワリー」】
第27回一橋新経済人倶楽部は、新装オープンしたコエドブルワリーの東松山新工場見学
となりました。
同工場は、1980年代にリコーが社員用の研修施設として建てました。
森林公園駅からタクシーで工場の入り口に到着すると、ビール工場のイメージとは全く
異なるゴルフ場のような瀟洒な建物の印象を受けました。
建物の入り口に入ると洒落た研修施設のイメージでした。
そこで、工場見学の前に朝霧社長からクラフトビールのレクチャーを受けました。
90年代に規制緩和で地ビールブームが起きた。
しかし、観光地商法のイメージが先行し、品質が伴わず直に廃れてしまった。
地ビールのマイナスイメージを払拭する為に中小ビールメーカーが品質に拘るクラフト
ビールを立ち上げた。
クラフトビールは米国で起こったモノで、米国のビール産業は10兆円市場と言われ、ク
ラフトビール市場はその12%で4千社のビールメーカーが競い合っている。
これに対し日本のビール市場は小さく、クラフトビールメーカーは200社、そのうちアク
ティブに稼働しているのが100社程度と推測される。
ビール発祥の地はヨーロッパだが、もともとヨーロッパは水質が悪く、ビールを常温で
水代わりに飲んでいた。ヨーロッパ人はアルコールに強く、水代わりに飲んでも平気な
体質だった。
さて、コエドブルワリーは、これまで地ビール時代に販売に苦戦し、OEMをも実施してい
た、多品種少量生産の地ビールメーカーの地位だった。
しかし、2006年に地ビールからクラフトビールへとポジションを再定義し新工場誕生を
機に、品種も5種類に絞った。
味は、普通のビールに近い瑠璃から、白ブドウのフレーバー、バナナフレーバー、サツ
マイモを入れたビール、黒ビールの5種に絞り込みまれています。
販路はデパート、高級スーパー等がメインです。まだコンビニにはブランディング上の
チャネル政策上展開してません。生産能力の増強と組織体制の確立が今後の課題です。
同工場は研修施設を買い取ったので宿泊設備もあります。
朝霧社長は、今後はインバウンド需要を取り込み、外国人にも宿泊付でビール工場を見
学してもらい、外需の拡販に注力していく計画だそうです。建物自体が工場とは思えな
い素晴らしさで、きっと外国人にも評判になると思います。
工場設備を見学し、充填設備を始め至る所に自動化と生産性向上の工夫が凝らされてい
ました。
近い将来同社がクラフトビール市場でナンバー1になる予感がしました。朝霧社長の経営
手腕に期待します。
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