「マーキュリー通信」no.3343【Bob Sugayaのワンポイントアップの英語術-104「英語 の社内公用語化には副作用が」】
楽天やユニクロを始め英語の社内公用語化が進む一方、その弊害が出てきているようで
す。
英語でコミュニケーションをとろうとすれば、当然、社員同士の理解度が落ちます。又
、英語の出来不出来で出世に大きく影響するとなれば、社員は本来やらなければならな
い自己研鑽以外に英語に時間を取られます。
多くの企業はTOEICの点数を重視しています。しかし、TOEICはreadingとwriting中心な
ので、TOEICの点数が高くても必ずしも英会話ができるとは限りません。
本来評価されるべき能力がなおざりにされ、英語にウェイトが行くと、社員間の不公平
感に繋がり、モチベーションは下がってきます。
もともと国内企業でスタートした会社が突然トップの号令で英語を公用語化すれば弊害
が出るのは当然です。
私が三井物産の国内鉄鋼営業にいた頃のことです。
バンクーバー支店長から新しく赴任したY部長は、月1回の営業会議を英語ですると言
い出しました。当然、英語の苦手な営業マンばかりです。
そのツケが私の所に回ってきました。最初は上司から業務報告を英語で書くように指示
がありました。内容は適当に考えておけと言われました。
その内、周りの先輩からも頼まれるようになり、私はその分仕事に影響が出て、残業せ
ざるを得なくなりました。
皆からの不満が高まり、英語による営業会議は中止となりました。
三井物産はグローバル企業なので入社時点から英語の能力を求められます。
最初から社員の英語に対するモチベーションが高い企業です。それでも歴代の三井物産
の社長の英語力がずば抜けて高いとは思いません。
逆に英語ができすぎる社員は重宝がられ、寧ろ出世はそれほどしないくらいです。つま
り、英語能力=仕事能力ではないからです。
英語は手段なのだという基本に立ち返り、英語の導入を考えないと、企業業績にも影響
してきます。
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