「マーキュリー通信」no.3781【「奇人変人が世の中を変えていく-345「終身雇用制度は従業員側から見切りをつける時代へ」】
終身雇用制度に関しては、トヨタ社長や経団連会長が、「今後は終身雇用制度の維持は困難」
と公式に発表し、話題を呼んでいます。
中小企業では終身雇用制度に関しては、以前からそのような意識は労使共に希薄でした。
しかし、一方で中堅、大企業の従業員側で意識の変化が見られるようです。
自分の上司、人間性を見て、このような上司、人間にはなりたくない。会社の社風、カルチャ
ーを受け容れられないという従業員も増えてきているようです。
スルガ銀行の不正融資、かんぽ生命保険の詐欺まがい商法は、ノルマ優先の会社方針に、多く
のビジネスパーソンは、こんな会社なら働きたくないと思った事でしょう。
社風はトップの方針、性格によっても変わります。
又、中間管理職の方針、性格によっても職場の雰囲気は変わります。
自分の上司のごまをすることで出世を夢見る上司に嫌気をさす若手社員も多いと思います。
私もカナダ三井物産カルガリー店に駐在の頃、バンクーバー支店長にごまをするカルガリー店
長、そして、トロントのカナダ三井物産社長にごまをするバンクーバー支店長、更には自分の
出世に影響する本社重役にごまをする姿に嫌気がさしました。そして、三井物産を辞めようと
思った事もありました。
1997年5月末に25年間勤務した三井物産を辞めたとき、その理由は7つほどありました。
その一つにノルマの過酷さがありました。
ノルマノルマに追われ、自分の人間性を失っている事に気付きました。
あれから22年が経ちましたが、組織からの自由、そしてノルマから解放され、私自身の人間性
も回復でき、今はとてもハッピーです。24時間全て自分の好きなように使えるこの自由さ。そ
して、通勤電車の苦痛からの解放感は何物にも代えがたいです。
確かに三井物産では高収入を頂いていました。しかし、高収入だけが人生の全てではありませ
ん。私自身は自分自身に忠実に生き、嘘のない人生の方を大切にしています。
但し、三井物産に25年間働き、自分を育ててくれた三井物産に対する感謝はいつでも持ってい
ます。
私が早期退職した1997年当時は、まだ例外でした。
しかし、今ではごく普通に早期退職する物産マンが増えてきているようです。
又、途中入社も増えているそうです。時代は大きく変わっています。
◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆
三井物産に25年間在籍し、10箇所の職場を経験しました。最初の経理部門を除き、100%自分の
希望通りの人事異動でした。
10箇所の職場は、皆カルチャーが違います。
例えば、三井物産では社長のこともさん付けで呼びます。
ところが国内の鉄鋼部門に異動した時、上司をさん付けで呼んだら、「頭が高い、課長と呼べ
」と叱られました。
次の石炭部では、お互いにファーストネーム「チャールズ、アーサー、マイク等」で呼んでい
たのにはびっくりしました。
カナダ駐在の頃、秘書に夕方コピーを頼むと、「これから夫のピーターとデートよ!」と言わ
れ、断られました。
㈱もしもしホットラインでは、三井物産からの出向者、テレマーケティング業界からの途中入
社組、新卒、中途採用等いろいろな人材の集まりで、異文化のカルチャーを経験しました。
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コメント
もう雇用制度の崩壊で一般企業では菅谷さんのご指摘の通り意識がかなり変わってきておりますが、旧態依然としてるのが公務員社会の飽くなき世襲制度でよほどの事件などで懲戒免職されない限り職員組合側の保護により定年迄勤務して何と我々の税金を給料泥棒している事実を見て見ぬ振りして放置してる現状は変わっておりません。
私は長年下請け稼業として講師を続けてきましたが上記の様な怠惰な公務員即ち税金給料泥棒ともいうべき奴等を観てると腹も立ちたくなります。
そういう意味では菅谷さんのご経歴はかなり恵まれた環境
の様に感じます。四半世紀に実績とご経験が現在のコンサルタント業としての大きな礎になってるかと感じます。
投稿: 江口邦彦 | 2019年9月 7日 (土) 20時41分