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2020年5月28日 (木)

「マーキュリー通信」no.3989【奇人変人が世の中を変えていく-377「安倍首相よ!あなたの政治家の原点「闘う政治家』に戻れ!」】

 

コロナウィルス対策では、対応が遅い、支援金の支給がスピード感に欠ける、中国への忖度等いろいろと批判を浴びています。
しかし、強制ロックダウンの欧米の被害状況と比べ、お願いベースの日本では一応及第点と言っても良いと思います。

昨夜2006年7月に出版された「美しい国へ」(安倍晋三著 文藝春秋)を再読しました。まだ首相になる前に書いた処女作です。

はじめにに「闘う政治家」を標榜するが闇雲に闘うのではなく、「スピーク・フォー・ジャパン」という国民の声に耳を澄ますことを明記してありました。

当時は北朝鮮による拉致問題解決で闘う政治家として頭角を現し、その後、一気に総理の座に駆け上りました。

第1期は病気のために途中退陣を余儀なくされました。

しかし、第2期では健康面を克服し、最長の政権を誇っています。

政権当初は、アベノミクスと外交でその手腕を高く評価されました。

外交面では、中国包囲網を形成するために、米国、ロシア、ASEAN、インド、豪州と矢継ぎ早に歴訪し、これまでの首相にない行動派首相として高く評価されました。
ただし、ロシアのプーチン大統領と20回以上会っているにもかかわらず、北方領土返還は暗礁に乗り上げたままです。すっかり闘わなくなった安倍首相にプーチン大統領も呆れています。

アベノミクスでは2度も消費増税を実施して大失敗し、景気の足を引っ張りました。

デフレの時代には消費増税は絶対やってはいけない愚策です。
その裏には、財務省の大きな力が及んでいます。
次に御用学者とマスコミを味方につけ、消費増税の空気を作りました。

また、財界も会社が従業員と折半する法定福利費より消費増税を選びました。更に法人税の引き下げとのセットで財界も味方につけました。

この時点で、闘う政治家を止め、「スピーク・フォー・ジャパン」という国民の声に耳を澄ますことを止めてしまいました。

「美しい国へ」では、日本が独立を取り戻すための目標として自主憲法の制定を掲げています。

教育方針の根幹である占領政策時代にGHQにより策定された教育基本法の改定を掲げています。
自虐史観の教科書を止めて、子供たちの未来に希望を抱かすような教育に切り替えてほしいのですが、現実には真逆の方向に進んでいます。

同書では、我が国は、いつのまにか損得が価値判断の重要な基準となってしまった。その結果、損得を超える価値、たとえば家族の絆や生まれ育った地域への愛着、国に対する想いが軽視されるようになった。

その為の改憲だったはずですが、いつの間にか改憲反対の公明党に配慮して9条への自衛隊明記程度に止めるという有様です。

「美しい国へ」では、ただ1つ大きな過ちがあります。

それは日中関係です。
日中関係は政経分離を主張しています。

政経分離の結果、どうなったでしょうか。
2010年に中国はGDPで日本を抜いて世界第2位に躍進しました。
「美しい国へ」を書いた4年後です。

日本が政経分離と思っても、中国では政経+軍が歯車として密接に噛み合っています。その結果、中国の軍事的脅威は現実のものとなってきました。

同書には、中国専門家は誰でも恋に落ちると書いています。
中国に出張するとき、よく夫人帯同で行けとアドバイスされるそうです。

一人で行った場合、ハニートラップが待っているからです。
それを知らずにハニートラップにひっかかり、大きな代償を払わされた政財官の要人は多数いると聞いています。

東京オリンピックが来年に延期となった今年は行事的には空白の年です。

そこで、安倍首相はコロナウィルスショック対策でポイントを稼ぎ、総選挙にうって出る可能性はあります。

そうなれば自民党の圧勝に終わり、安倍首相4選も可能性として出てきます。

それなら安倍首相の原点である「美しい国へ」に立ち戻り、闘う政治家として初心を貫いてほしいものです。

間違っても習近平国家主席を国賓で招く愚だけは避けてほしいです。

もし、招いた場合、最長の政権と共に21世紀のヒットラーと呼ばれた男を国賓として招いたという歴史上の汚点として後生語り継がれることになります。

◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆

民主党の元首相野田佳彦氏が政権交代の直前に書いた書籍「民主の敵―政権交代に大義あり (新潮新書)」を政権交代の直前に読みました。

同書では、消費増税絶対反対、官僚の天下りを止めれば、消費増税不要と喝破していました。

しかし、同氏は財務省から首相というえさにつられ、消費増税を決めてしまいました。自分の出世のために、魂を売った男です。

政治家は嘘つきとよく言われますが、書籍として出版し、選挙戦でも同書を基に消費増税絶対反対を掲げて当選し、政権交代をしました。

一言で言うなら詐欺師です。

この詐欺行為さえなければ、彼は民主党の中では比較的まともな政治家として活躍し、今日の民主党のていたらくは回避できたかもしれません。

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