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2021年1月 3日 (日)

「マーキュリー通信」no.4204【明治神宮鎮座100年の歴史に接して】


昨年11月1日に御祭神明治天皇と昭憲皇后を祭る明治神宮100年が盛大に行われました。正月にNHKで特集の再放送、また産経新聞が昨年1年かけて毎週報道していたので、1年分を再読し、明治神宮100年の偉業に改めて接することができました。

明治神宮は、明治天皇が崩御され、東京に陵墓を建立したいとの東京市民の念いから始まりました。
しかし、明治天皇は京都で眠りたいとのご希望があり、その事実を知った東京市民の念いは神宮建立へと念いが変わっていきました。

その念いを受けて立ち上がったのが近代資本主義の父渋沢栄一でした。
そして、建設地が原宿と決まりました。
明治神宮は社殿以外に自然林で囲まれた国民に親しまれる憩いの場としても構想が練られました。
そこで、造園のプロ本多静六博士(東京大学農学部卒)が中心となって、針葉樹と常緑広葉樹の森にする設計となりました。
その設計思想は、森林の維持には莫大な費用がかかり、欧州の造園技術に習い、100年後、150年後をイメージした森林作りを設計しました。

しかし、この案は当時の大隈重信首相によって却下されました。同首相は、日光杉をイメージして、杉を中心とした森林設計を指示しました。
これに対し、本多静六博士は、「杉林では100年後は持たない。どうしてもというなら総理が責任を取れ」と迫り、総理の指示を撤回させたそうです。
もし、杉林になっていたら、今頃東京都民は杉花粉症で悩まされていたことになり、改めて本多静六博士の先見の明に脱帽です。

明治神宮は、参拝を中心とした内苑と国民の文化、趣味、スポーツ施設としての外苑に分けて設計されました。

当時明治神宮の森を造林するための予算がありませんでした。そこで、国民にそのメッセージを送ったところ、10万本近い木が全国から集まりました。その樹木を植えるために、11万人の青年団が全国からはせ参じました。
こうして明治神宮は天皇陛下に対する信仰心、篤い念いを下に、大正9年(1920年)11月1日完成しました。
完成式典には全国から50万人の国民がはせ参じたそうです。

その後、明治神宮の森は本多静六博士の計画通り順調に育っていきます。

しかし、大東亜戦争末期の昭和20年4月14日東京大空襲により、本殿の大半と森林の8割近くが焼失しました。

戦後の一時期米国占領軍GHQの施設となっていた明治神宮でしたが、明治神宮復旧にかける国民の念いは強く、何とか実現しました。

その後、植林は本多静六博士の遺志を受け継ぎ、行われました。
そして、明治神宮は幾多の困難を乗り越え、令和2年11月1日無事100周年を迎えることができました。

当初の設計計画に基づき、外苑には文化施設である聖徳記念館、神宮外苑球場、国立競技場が建設され、文化芸術スポーツの地域としても国民に愛されています。

100年が経ち、本多静六博士の設計通り、成長の速い常緑広葉樹の生育で陽光が少なくなったため、針葉樹の数は減り、常緑広葉樹の森に変化しているそうです。

ただ、それを支える土壌の中に生息しているダニ類の数が減っているのが気がかりだそうです。明治神宮の周りは都市化が進み、その影響が及んでいるそうです。

NHKの番組と産経新聞の1年間の特集を読み、明治神宮は日本人の信仰心の結集と天皇陛下に対する国民の尊崇の念の表れであることを改めて感じました。

明治神宮の100年の歴史を知ることで、今度明治神宮を参拝するときは、日本人の信仰の原点という念いの場所として参拝させて頂けたらと思っています。

◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆

現在、3月出版予定の「あなたの人生を変える「仕事力・生産性10倍アップの極意」」の執筆中です。その参考経典として、渋沢栄一と本多静六博士の著書を読んだばかりです。思わぬ偶然に驚いています。

10年日記をメルマガ「マーキュリー通信」に書いたところ、5名の読者から10年日記を始めた、またはこれから買いたいという反響がありました。

私自身、4回目の10年日記ですから、元日から3日連続で4行日記では収まらず、追記欄に記入することになりました。こんな事は初めてです。
また、丁寧に日記を書こうとしている気持ちのせいか、これまでの10年日記と比べ、読みやすい文字となっています。これも私に新たな変化をもたらしています。


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