「マーキュリー通信」no.4320【人生に勝利する方程式-243「行員、矢のごとし」】
「光陰矢のごとし」という格言がありますが、私の人生で、就職先に大きな選択がありました。
私の就職先第1志望は三井物産と決めていました。
しかし、商社の就職試験は大学3年の3月頃と一番遅かったのです。
そこで、向学の意味で金融機関も面接にいこうと決めました。
東洋信託銀行を訪ねたら大学の先輩が出てきて、ランチをごちそうになり、その場で内定が出ました。
次に三和銀行(現在の三菱UFJ銀行)を訪ねたら、同様に大学の先輩が出てきて、その場で内定となりました。
次に一橋大学では人気の三菱銀行を訪ねました。
そこで人事部長といきなり個別面談となりました。
その時、同人事部長は「君のようなタイプはメーカーの企画部門か総合商社が向いている」とアドバイスを頂きました。
その一言で、自分の就職先に迷いがなくなりました。
各企業の就職案内には学生のモチベーションを上げる美辞麗句が多数修飾されてるので社会経験のない学生にはその企業の良さが想像以上に良いイメージが膨らんできます。
もし、銀行に就職していたら、私のような性格は型に嵌められて息苦しく感じ、途中でリタイアしていたかもしれません。
あれから丁度50年が経ちます。
護送船団方式に守られていた銀行はバブル崩壊を機に次々と破綻し、合併を繰り返して、今の3つのメガバンクに集約されました。
しかし、そのメガバンクでも、フィンテックが進んでいく中で、リストラを余儀なくされています。
メガバンクの1つ、みずほ銀行は富士銀行、興銀、第一勧銀の3行が合併してできました。
そのみずほが週休3日、4日制を行員に提案しています。4日制を採用すると年収は6掛けになるそうです。そこまで厳しい業界となって来ているようです。
一方で、競争が激しい総合商社は、下位商社の安宅産業は倒産しましたが、上位5社は生き残っています。
総合商社の経営の基本はアメーバ経営です。新設の有望部門を創り、育成しながら次の収益部門に育てていきます。一方で赤字の部門は切り捨てながら生き残ってきました。
今後も政府の庇護を受ける業界は地盤沈下していき、そうでない業界は、業界内で切磋琢磨しながら、生き残りをかけて淘汰されつつ存在していくモノと思われます。
ダーウィンが、「変化に対応できるモノしか生き残れない」と名言を吐いていますが。その通りと思います。
丁度50年前に私の社会人としての種が蒔かれました。
現在の銀行を外野席から見ていて、「行員、矢のごとし」を感じました。
| 固定リンク | 0
« 「マーキュリー通信」no.4319【ワンポイントアップのコミュニケーション力-203「ルームランナーが夫婦の会話に一役」】 | トップページ | 「マーキュリー通信」no.4321【ワンポイントアップの経営術-264「弱者チーターが弱みを強みに変えて生き残る最強戦略とは?」】 »
コメント