「マーキュリー通信」no.4372【人生に勝利する方程式-249「渋沢栄一の論語と算盤に学ぶ-2『仁』を生涯貫いた」】
渋沢栄一を一生涯貫いたモノは、「仁」だと思います。
「仁」は、論語で一番重要視しているモノです。
日本語で言えば愛となります。
孔子の掲げる「仁」とは、仁者は与えられた天命を自覚し、一点の私心なく、自分の社会における役割分担を果たし、人としての道を実践していくことになります。
これが国となると、良く天下国家を治め、広く人民を安心させるのが「仁」の極致と孔子は説いています。
渋沢栄一と対極をなす人物が岩崎弥太郎と言えます。
彼は渋沢栄一とは考え方の基本が根本的に異なり、二人は相容れなかったので、犬猿の仲でした。
岩崎弥太郎は、土佐の最下層地下浪人から這い上がり、明治政府の重鎮大隈重信他に取り入り、御用商人として三菱財閥を創り、莫大な富を得ました。
渋沢栄一は、500の株式会社を創り、本来なら巨万の富を得て良いはずでした。
しかし、渋沢栄一の考え方は、金は天下国家のために役に立ってこそあるという考え方でした。
それを具現化したのが、板橋にある養育院(現在の東京都健康長寿医療センター)でした。
明治維新で最大の被害を受けたのが武士階級でした。多数の貧民が町中に溢れ、治安が悪化しました。
これに心を痛めた渋沢栄一は、彼らを収容する養育院を政府に働きかけ創りました。
しかし、これに猛反対したのが岩崎弥太郎でした。
彼は大貧民から這い上がってきた人間だったので、貧乏から抜け出したかったら、働けというのが彼の心情でした。
その為、養育院に予算が付かなくなります。そこで、渋沢栄一は、奉加帳をもって金持ちから寄付を募り、私費で何とか養育院の再建に当たります。
岩崎弥太郎の自助努力の精神にはもちろん賛成です。私も貧乏人から這い上がりました。
しかし、世の中には働きたくても働けない人もいます。
また、体が丈夫でも、知力のない人もいます。そこで、彼らが働く仕組みを創り、働く場所を提供することも必要となります。
明治政府の2大国家方針、富国強兵と殖産興業ですが、この二人の英雄が殖産興業の核となったことは間違いありません。
しかし、新しく1万円札になることが決まった渋沢栄一との差はこの「仁」に基づく人間力のだったのではないかと思います。
◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆
私は渋沢栄一は、龍馬に次いで、2番目に好きな歴史上の偉人です。今年は、渋沢栄一をいろいろな角度から研究して、その遺徳に接したいと思っています。
私も渋沢栄一の考え方に全面的に賛成しています。渋沢栄一を見習って、想い、活動しています。
それが私の行動哲学「活私豊幸」=「自分を活かしながら人生の途上で出会った人々をいかに豊かに幸福にできる人間でありたい」 に繋がります。
既に自分事が終わったので、残りの人生は、報恩行として、これまでの経験とお金を世の為、人の為に使っていこうと考え、行動に移しています。
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