「マーキュリー通信」no.4942【小児科の名医真弓定夫先生の映画上映会に参加して】
昨日は歯科医梅津貴陽氏とニューヨーク在住の中村好子さん主催による小児科の名医真弓定夫先生の映画上映会(銀座会場)に参加しました。昨日上映会から多くのことを学びました。
真弓定夫先生は一昨年91歳で他界しましたが、薬や注射は不要、医者の仕事は、人間が本来持っている自然治癒力を回復させることに主眼を置いています。
動物は病気にはならない。薬や注射もしない。そこに自然治癒力が備わっているからという方針の下に診察します。
現代医療では、医師は患者を診ずに、パソコンの画面を診る。診察は3分で終わってしまう。そんな儲け主義の現代医療に警鐘を鳴らしています。
真弓先生は徹底的に患者と向き合う。患者から現在の症状をしっかりと聴く。その為、診察時間は30分はかかる。
熱が出たら、通常解熱剤を投与する。しかし、真弓先生は、熱は菌を殺す体の反応であり、そのまま放置しておく。熱が下がれば、菌は死に、健康は回復する。
真弓先生が開業した1955年、当時の国の年間総医療費は2388億円でした。
その後、人口は1.5倍になりました。ところが年間総医療費は2008年には34兆1360億円(現在は40兆円)、何と143倍に跳ね上がりました。物価上昇を考慮しても、この上昇は異常です。現代医療は、いつの間にか巨大な利権構造の下、国民を食い物にした営利ビジネスにまで堕落してしまいました。
医療費が高騰したからと言って、国民が健康になったかと言えばそうとは言えない。生活習慣病なるものが登場し、検査漬け、薬漬けの医療業界になってしまったことを嘆きます。
生活習慣病は、食事と食生活が大きく影響していると真弓先生は力説します。
例えば牛乳は牛の血液、それを人間の健康に良いわけがない。ヨーグルトやチーズも同様、絶対食べてはいけない。これが子供の健康に悪影響を与えていると力説します。
真弓定夫先生の治療方針は覚他の精神に基づきます。覚他の精神とは、人間は自分だけでなく、周囲の万物に対して配慮する気持ちが大切と説きます。
その基本は感謝です。人間は自然界の一員として生きている。
食事をするとき、その食べ物ができあがるまでに、いろいろな過程を経ている。動物でも植物でも、その生きとし生けるものにまずは感謝し、「いただきます」と言ってから食べます。それが医療の世界にも通じる。
さて、歯科医梅津貴陽氏は、真弓先生と出会ったとき、先生に歯を見せて欲しいと頼みます。真弓先生は、5歳の時に虫歯治療して以来、歯を磨いたことがないことを聞いていたからです。
口内を診た梅津歯科医は、当時83歳の真弓先生の歯の状態は、83年間使い続けてきた歯の状態であり、歯は摩耗し、一部歯は無くなっていました。しかし、虫歯はありません。
動物は歯磨きをしません。それでも虫歯にならないのと同じ原理です。
晩年、真弓先生は、死に対する恐怖はないかと聞いたところ、中学生の時に臨死体験をした真弓先生は、また元いたところに還るだけと応えたそうです。
人は、役割を終えればお迎えが来る。そういう心境だそうです。
そして、子孫に美田を残さず、4人の子供には財産は遺さず、先生の生き方、哲学を遺しました。
私自身、利権構造に与さず、免疫力をつけ、薬は飲まない方針を貫いてきましたが、昨日の映画を観て、これまでの方針に間違いがなかったと意を強くしました。
真弓先生の事をさらに深く知りたい読者は、真弓定夫著「子ども達に贈る12章」(正食協会)、さらには梅津歯科医の「真弓定夫先生から教わったこと」(自費出版)がお薦めです。
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