「マーキュリー通信」no.5057【人生に勝利する方程式-324「松下幸之助翁の経営の原点に学ぶ」】
今朝の朝6読書会は、幸之助研究の第1人者の一人、松下電器OBの大石忠次さんによる「人間を考える」(昭和47年刊 PHP文庫)の解説でした。
大石さんは、「松下幸之助の悟り力に学ぶ 成功哲学論」(東京図書出版)を最近出版、そのベースになった本が「人間を考える」でした。
時間の制約があったので、全9項の内、第1項の解説に止まりました。それでも幸之助翁の人間学が充分伝わってきました。
第1項 宇宙に存在するすべてのものは、つねに生成し、絶えず発展する。万物は日に新たであり、生成発展は自然の理法である。
幸之助翁は、神様は何のために人間を創造したのか自問自答してみた。
人類が誕生し、生かされている目的は、この地上に生まれ、生成発展していくことと悟る。
その使命はPHP建設、PHPとはPeace and Happiness through prosperity、即ち発展、繁栄を通じての平和と幸福な世界を建設していくことにある。
その武器として、報ずれば報ぜられる、与えた者が与えられるという、釈迦の説いた縁起の理法、原因結果の法則に行き着く。
また、幸之助翁はこの教えを広めるため、松下政経塾を創設しました。
松下電器による経済活動、政経塾による人材育成、そして広報機関としてのPHPがある。
その結果、幸之助翁は日本一の大金持ちになった。これが、人生「成幸」の法則といえる。
同書が出版された当時、人類は金儲け主義の風潮に陥っていました。神の意志に反した行動を人類が続けていくと、地球は滅亡の方向に向かうのではないか。当時松下電器は、経済界で大成功していました。そんな幸之助翁に神からの啓示、インスピレーションが下りたのではないかと大石さんは推測しています。
同書を発刊するに際しては、周囲は猛反対だったそうです。
経営の神様が宗教を騙ることは御法度とされる時代でした。
幸之助翁は、同書を100回も見直し、周囲の反対を押し切って、発刊するに至りました。
同書の巻末には、誰でもが知っている井深大(ソニー創業者)、高田後胤、牛尾治朗、朝永振一郎(ノーベル賞受賞者)、石原慎太郎、政財界社会の大物数十人が賛辞を送っています。
同書発刊後、現在の世界は、御利益信仰のバール信仰に陥り、昭和47年当時よりさらに悪化しています。
このままでは幸之助翁の危惧している通り、神仏の怒りを買い、世界は破滅の方向に行ってしまうのでしょうか。
松下電器は、パナソニックに社名変更し、幸之助翁の人間学が失われつつある層です。
全国に130箇所ある松下家の守り神、龍神神社も徐々に取り壊されているそうです。
パナソニックは儲け優先、チャイナソニックと揶揄されていますが、いずれ神仏の怒りを買い、衰退の方向に向かうことに大石さんが危惧しているようですが、私も同意見です。
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