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2024年2月 7日 (水)

「マーキュリー通信」no.5262【奇人変人が世の中を変える!-497「高額年収の大手総合商社でも、退職者が激増、これも時代の流れ」】


2024年2/3号週刊ダイヤモンドに「商社の快進撃」の記事が載っていました。
三菱商事、三井物産では、昨年3月期、税引き後の利益が初めて1兆円を超しました。
この業績のため、1回のボーナスが数百万円に上り、30代で年収2000万円を超えたと報じていました。

しかし、その一方で、途中退職者が1~3%、人数にして数十人から100人以上いるそうです。

私が三井物産を早期退職したのが27年前、48歳の時でした。
その時は、日本で1,2位を争うほどの退職金でした。
しかし、それでも退職する人はほとんどいませんでした。

総合商社の魅力の1つは、新規事業への投資です。
しかし、投資案件の場合、稟議事項となり、許可を取り付けるために、課長→部長→本部長→担当役員→本部→社長の承認を取り付けるために全部で20以上のはんこを押してもらう必要があります。
そのリスクをとらない官僚的体質に嫌気がさして、途中退職する若手社員が増えているそうです。

三井物産を早期退職して、ベンチャー起業家18社に数千万円投資してきました。
現在経営コンサルタントもしている私の意見としては、私にはその気持ちは半分理解できます。

私も37年前に、三井物産在籍中にテレマーケティングの新会社もしもしホットラインを設立しました。
その時、稟議許可を得るまでに5ヶ月もかかりました。私は社内の稟議許可取得のため、心身共にぼろぼろになるまで頑張りました。
テレマーケティングの会社のことなど知らない人からは根掘り葉掘り聞かれ、中にはテレクラと勘違いする人もいました。

新規事業への投資、特に経営責任を取る場合、その業界の今後の市場はどうなるのかが最重要ポイントと思います。
当時、中曽根内閣の時代で、通信の自由化元年の年でした。
それなら会社全体として、総投資額を決め、リスク要因を把握し、おおよその成功確率をシミュレーションし、情報産業部門内、三井物産の他部門とのシナジー効果、そして上場時のキャピタルゲインを予想します。
その上で、三井物産情報産業部門全体としての総投資額を決めます。
こうしておけば、稟議許可取得の時間は大幅に短縮されます。そして、余分なエネルギーの消耗を避けることができます。
もしもしホットラインは予想通り店頭市場に上場し、最後は東証一部上場まで果たしました。
その時のキャピタルゲインは500億円でした。
それを年金の運用に使っていますが、もしもしホットラインがメインバンクに指定した三井信託銀行が担当しています。
情報産業部門では200社以上に投資してきましたが、大半は倒産、撤退を余儀なくされています。それでももしもしホットラインの上場益は、情報産業部門ではトータルでプラスとなり、情報産業部門内でのシナジー効果も生まれています。

当時私は38歳だったので、社長の資格は、なく末席の取締役でした。
しかし、途中の役員を飛ばして、もしもしホットラインの社長の直接了解を取りながら、新会社の経営と事業推進をしていきました。
今思うと、それなら年齢にこだわらず私に社長を任せていたら、多少の失敗はあったとしても、当時通信業界は急成長市場だったので、成功していたと思います。また、実力発揮の場とし、若手社員に経験を積ませれば良かったと思います。

◆◆◆◆◆◆追記◆◆◆◆◆◆◆

当時の三井物産の人事制度では、子会社への出向は出世街道を諦めることを意味していました。
へそ曲がりの私は、「それならもしもしホットラインを絶対に成功させるぞ」と決意しました。

それ以降、三井物産では子会社への出向が人事制度に組み込まれ、今では当たり前の制度として定着しています。


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