「マーキュリー通信」no.5482【ワンポイントアップの開運力-5「小説 運転者から学ぶ」】
朝6読書会で紹介された「小説 運転者から学ぶ」(喜多川泰 著)を読みました。
運転者とは、運を転じる者、あなたの運を良くする者という意味です。
本書には、運転者としてタクシードライバー岡田が登場します。
そして、この運転手のおかげで人生が劇的に変わった修一が登場します。
修一は、小さな生命保険会社で働くフルコミッションのサラリーマンです。
営業成績によって毎月の収入が変動するので、彼はいつでもどこでも新規営業開拓に躍起になっています。
そんなある日タクシードライバー岡田と出会います。
岡田は、修一に10万円まで無料で乗れるクーポン券を上げます。ただし、行く先はドライバー任せです。
半信半疑の修一ですが、この話に乗ります。
最初に連れて行かれたところは、愛媛県、タクシーのメーターはかなり上がっています。後3万数千円残っています。
これでは今日中に帰宅するのは無理と分かりました。
修一「なんで、こんな遠いところに俺を連れてきたんだ!こんな所に来て、俺の運が良くなるのか!」と怒ります。
訳が分からず連れてこられて修一は仏頂面です。そこはスナックでした。
小さな店内には客が3名いました。
修一は、早速生保の顧客探しに、店の客と話し始めます。しかし、見込客は見つかりませんでした。
そこで運転手岡田から、「そんな仏頂面ではお客の方から逃げていきますよ」とたしなめられます。
「客のAさんは半端ない人脈を持っていますよ。Aさんに気に入られて、誰かを紹介してもらえれば良かったのに残念でした。しかし、せっかくの縁を活かせず残念でした。」
自分の顔を鏡で見た修一は、確かにこんな仏頂面では相手も心を開いてくれないと悟ります。
「次はもっと客のいそうな場所に連れて行ってよ」
運転手岡田は、また数時間乗って、別の店に連れて行きます。
今度は見込客がいないどころか、蕎麦打ちの話をされます。
そこで修一は岡田に向かって怒りをぶつけます。
岡田「ここからあなたの人生が大きく変わりますよ!」と言います。「だからこの人の蕎麦打ちの話を真剣に聴いてください!」と言われ、修一は仕方なく聴きます。
蕎麦打ちの話を聴いている内に、祖父が戦時中に南方の激戦地で、戦争が終わったら帰国して蕎麦打ち職人に成りたいという話を聴きました。
祖父の夢は実現し、その蕎麦打ち道具は息子(修一の父)へと受け継がれていきます。
修一の父は、サラリーマン人生の限界を感じ、蕎麦打ち職人を引き継ぎます。
その話は息子の修一に話すことなく亡くなっていきました。
暫くご無沙汰していた実家に修一は戻ると確かに父は蕎麦打ち職人に変わっていることを母から聞きました。
修一は、その時はっとします。
自分は生活のために生保の営業マンとして頑張ってきた。
頭の中は生保の客を獲得するしかありませんでした。
そこではっとし、蕎麦打ち職人になろうと思いました。
その気持ちを妻に打ち明けました。最初はびっくりした妻でしたが、修一のストーリーに納得し、生保の営業マンとしてあくせくしている夫より蕎麦職人の修一を応援する気持ちに変わりました。
ただし、今の仕事からいきなり変えることはリスクが高いので、まずは学校に通い、自分が蕎麦打ち職人になれる腕を持っているかを探りました。
学校に通いながら、修一は、祖父の夢が息子、そして孫の自分へと引き継がれている生きがいを覚えました。
そして、修行にも身が入り、無事小さなそば屋を開店することができました。
そば屋の収入はまだまだこれからです。しかし、修一はより美味しい蕎麦を作り、お客様から「うまい!」と喜んでもらえることに生きがいを感じるようになりました。
そして、自分の運命を変えてくれた運転者に感謝しています。
名作「小説 運転者」のエッセンスをお伝えしました。
本書を読み込んで、あなたの人生を変える運転者が登場するかも知れません。
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