「マーキュリー通信」no.5638【ワンポイントアップの思考力-123「日本製鐵のUSスチール買収劇を考える」】
瀕死の重傷のUSスチールを救おうと日本製鐵が買収しようとしたらバイデン大統領が待ったをかけました。
国家の安全保障に関わるという大義だそうですが、米国内からも猛反発を受けています。
かつて日本でも鉄鋼産業は産業の米と言われていました。
しかし、時代は大きく変わり、米国鉄鋼業は日本の鉄鋼業にとって代わられ、さらに1990年代後半に中国の鉄鋼業に抜かれました。
今や粗鋼生産量は、日米は1億トン程度、中国はその10倍までに拡大しました。
しかし、中国も2020年頃から下降曲線を描き始めました。
最近追撃を開始したのは、今や日米を追い抜いて世界第2位に躍進したインドです。
インドの生産年齢人口は圧倒的に多く、かつての中国同様20~30年後には中国を抜き去り、世界第1位になるのではないかと思います。
日米は同じ民主主義国家として同盟関係にあります。
鉄鋼産業も国家の重要な産業の1つです。
國のインフラ、建物等鉄鋼は必要不可欠です。
それを敵対国家共産主義国家中国に駆逐されたら国家の安全保障の危機にも繋がります。
現在行き過ぎたグローバリズムの揺り戻しが起きています。
自由貿易の大義の下、國の重要産業が衰退の一途を辿っています。
エネルギー、食糧、半導体、鉄鋼は国家の重要な基幹産業です。
日本の鉄鋼業も中国に抜かれてから下降線を辿っていましたが、業界再編成により新日鐵が住友金属と合併して、日本製鐵となりました。かつての名門日本製鐵の復活です。
トランプ大統領も現時点では反対していますが、中国に対抗した同盟国の連係強化、そして急成長するインドに対抗して、最終的には承認するものと予想します。
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