今年は戦後80年の年です。
これまで大東亜戦争を中心に関連書籍を読んできました。
当時海軍大将だった末次信正著「日本とナチス独逸」を経営科学出版が現代人にわかりやすく監修した本を出版したので読んでみました。
本書は、第3次世界大戦の視点で書いています。執筆時期が真珠湾攻撃の1年半前の昭和15年6月です。
副題として、「この歴史的転換期において、最後の鍵を握るのは、我が日本においてない!」と力強く書いてあります。
同書を読み進むことで、当時の世界情勢が明らかになってきます。
日独伊三国同盟は、1940年(昭和15年)9月27日に締結されました。本書執筆後の3ヶ月後でした。
当時英米仏の民主主義同盟国家に対抗し、新秩序全体主義国家体制でした。
現在、全体主義国家体制は共産主義より悪いイメージです。
しかし、当時日米仏を中心としたアジアアフリカの植民地支配は最盛期を迎え、現地からの搾取は過酷さを増していました。
これに対し、日独伊三国同盟では新たな国際秩序を提唱しています。
南北アメリカは米国主導。
アフリカ、中東は独伊が主導していく体制を提唱、そしてアジアは日本が八紘一宇の大東亜経済圏を建設を掲げました。
当時、1917年にロシア帝国が崩壊し、新たに社会主義国家ソ連が誕生して20年以上経った頃です。
ソ連は陸続きの独逸にとって軍事的脅威でした。
これに対し、不凍港を求め、極東に進出するソ連は日本にとっても脅威です。
世界最大の面積を持つソ連を独逸と日本が挟み撃ちで動けなくすることが戦略でした。
当時英国は大英帝国の最盛期を過ぎて、下り坂の頃でした。
フランスの国力は衰え、崩壊寸前でした。
一方、孫文が建国した中華民国は当時内乱状態でした。
というよりは、シナを舞台とした代理戦争であり、世界大戦と著者は主張します。
当時の政府にこの認識がないので、今後の世界の戦局に大きな影響を与えていきます。
蒋介石率いる国民党は、英米仏の力を借りて、日本に攻撃を仕掛けます。
これが1937年(昭和12年)7月7日に起きた盧溝橋爆破事件です。筆者はこれを現在では使われていない北支事変と呼びます。
この時の日本政府の対応が悪いと非難しています。その後、上海事変が起きて、日中関係は泥沼化していきます。
北支事変の時には、日本は開戦宣言をシナに向けてすべきでした。
日本には独伊がバックについています。
当時の米国は軍事力を強化中でした。世界大戦を仕掛ける力はありませんでした。
当時、日米間は最悪の状態でした。米国は、日本への石油や食糧の輸出をストップしました。
著者は建前はそうでも実際には多少なりとも調達はできていると楽観的でした。
しかし、1935年頃からオランダを加えたABCD包囲網を敷いて、日本がアジアから資源を調達することにストップをかける動きをしていました。
海軍大将の著者は、この点少し読みが甘かったといえます。
当時は、海軍の時代から空軍の時代へと移行しています。
戦艦中心の時代は、軍港を建設しなければ、軍事基地にはなりません。
しかし、戦闘機なら、島に滑走路を確保すれば、領土が大きく拡大していきます。
当時日本は小笠原群島からマリアナ群島、カロリン群島からマリアナ群島を支配し、支配地域が東西南北数千キロに及び、大東亜共栄圏の基礎を築きつつあります。
これは米国側から観れば、日本の亜細亜進出は脅威となり、日本を叩くことを決意します。
日本を叩くオレンジ計画は1920年代頃から原案ができます。
日本が日露戦争に勝利し、日本が脅威と感じてきた後のことです。
当時の軍事力は、日独伊3国同盟と英米仏の連合国側の軍事力は拮抗していました。
著者は、まさか日本が真珠湾攻撃をするとは夢にも思っていなかったようです。
この愚策が日本を破滅に導くことになるとは想定外だったと思います。
著者の言葉を借りるなら、北支事変の時、開戦宣言をして、蒋介石率いる国民党との日中戦争を開始すれば、その後戦線拡大は防げたのではないかと思います。
連合国側は、独伊が背後にいるので、全面戦争は避けたかったと考えられます。
石油、食糧の資源確保はシナ、満州を中心に確保すれば国力を集中できました。
南方まで拡大したことが最大の戦略ミスでした。
さて、連合国側は、民主主義国家とは名ばかりで、アジアアフリカから資源を強奪して、自国を繁栄させてきた野蛮国家でした。
勝てば官軍と言います。それが現在まで及んでいます。
ヒトラーは、当時の独逸国民からは英雄扱いされていました。
しかし、600万人のユダヤ人を殺害したと20世紀史上最悪の罪人とされています。
これに対し、戦勝国側のスターリンは2千万人のソ連人を殺し、毛沢東は6千万人のシナ人を餓死させたと言われています。
彼らの罪は問われないのは不思議ですね。
第1次世界大戦に続く第2次世界大戦もディープステートが仕掛けた罠と今では分かっています。
ウクライナ戦争もディープステートが仕掛けた罠と分かっています。彼らは戦争を起こすことで、ぼろ儲けできます。これが彼らが一番儲かるビジネス・モデルです。戦後80年経っても戦争が終わらないのはこれが最大の要因です。
戦後80年、そして昭和100年の今年、さらに近現代史を勉強していきたいと思います。
2度と不幸な戦争を起こさせないためにも、勝者の歴史ではなく、正しい歴史を理解していきたいと思います。
ところでシナは本書では支那と書いていましたが、漢字変換しても出てきません。
独逸他他の固有名詞は簡単に変換できました。
中国の影響で抹消されたのでしょうか?
◆◆◆◆◆◆追記◆◆◆◆◆◆◆
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「思考力」10倍アップの極意」(その2グレート・リセットの時代を生き抜く智惠)
「思考力」10倍アップの極意」(その3 あなたの常識を外すと世界が大きく拡がる)
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