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2025年3月26日 (水)

「マーキュリー通信」no.5718【知らぬが佛と知ってる佛-64「蜘蛛の糸は最強の糸!」】

NHKの科学番組サイエンスZERO(3月16日放映)で、天然素材や化学繊維ではない“未来の糸”糸を特集していました。

軽くて強い糸が未来の乗り物を進化させる!?、そんな夢の技術を紹介していました。

自然界最強クラスの糸に蜘蛛の糸があります。それを人工的な合成に成功したそうです。

「蜘蛛の糸」といえば、芥川龍之介の短編小説を思い出します。

お釈迦様が蓮の池を歩いていたとき、ふと下を見ると、多くの罪人達が地獄の中でもがき苦しんでいるのが見えました。
その中の1人にカンダタがいました。
カンダタも罪人の1人でした。ただ、ある時、蜘蛛を踏もうとしたが、命ある生き物と思い、踏まずに通り過ぎました。

そこで、お釈迦様は生前1つだけ良い行いをしたカンダタに救いの手を差し出すことにしました。そして、1本の蜘蛛の糸を下に下ろしました。
水中深くに下ろされた蜘蛛の糸がカンダタの所に届きました。

カンダタはその蜘蛛の糸をしっかりと握り、上っていきます。
途中一呼吸したとき、下を見ました。すると多くの罪人達が蜘蛛の糸をたぐって上ってきていることに気づきます。

そこでカンダタは、罪人達に向かって、
「これは俺の糸だ!おまえ達が糸をつかむと、糸が切れてしまう!」と大声を上げて叫びました。
その瞬間、蜘蛛の糸はぷつんと切れ、多くの罪人達と一緒にカンダタも地獄の底へと堕ちていきました。

それまで蜘蛛の糸の強度は比喩的に用いられており、カンダタが他の罪人も一緒に助かろうという想いなら、カンダタも一緒に助かっていたと理解していました。

しかし、現代的に解釈するなら、蜘蛛の糸は最強の糸であり、もしカンダタがそのことを知っていたら、他の罪人達が蜘蛛の糸をつかむことを認めていたかも知れませんね。

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