「マーキュリー通信」no.4509【重度障害児のりほちゃん詩集「約束の大地」を読んで感激!】
「マーキュリー通信」no.4509【重度障害児のりほちゃん詩集「約束の大地」を読んで感激!】
先週の朝6読書会で、「朝6読書会開始以来の感激!「重度障害児のりほちゃん詩集「約束の大地」著者インタビュー」の感想を書きました。
早速同詩集を購入して読みました。
20代の頃に島崎藤村や中原中也の詩集を読んだことがありますが、最近はほとんど読みません。
梨穂ちゃんの詩集は、島崎藤村や中原中也の詩集を凌ぐ感激の内容です。
世間の一般常識からすると、脳障害児が言葉を発することはないと思っています。その前提に立ち、脳障害児と医学面でも接して、治療方針を立てます。
しかし、梨穂ちゃんは20歳の誕生日(2002年7月23日)の直前の5月20日に國學院大学教授柴田先生と会うことで人生が一変します。
柴田先生は、梨穂ちゃんからのメッセージをパソコンを通じて書き取ります。
出てきたメッセージは、柴田先生の常識を遙かに超えていたので、驚愕と感動でした。そのメッセージは詩として柴田先生に伝えてきました。
最初の詩「涙のわけ」の序文は下記メッセージで始まります。
小さい瑠璃色の勇気が私を包み
リラの花の咲く北の国に私をいざなう
リラの花咲く北国は涙を溜めた瞳を癒やす
わなわなと泣いたばかりのろうそくのあかりのような
理想の妖精が住んでいる
妖精は私を捕まえて
私の涙のわけを教わりたい・・・・・
そして、翌年3月には初めての歌「夜を越えて」を作詞作曲してしまいます。
夜も更けると、私はひとり人間を夢見て呼んでみる
なつかしき夜の風よ
私を私らしく、私をもっと人間として
ずっと輝かせて欲しい・・・
詩集のテーマ「約束の大地」は、梨穂ちゃんの23回目の誕生日、2015年7月23日に書いたものです。
つらい別れを一人たえて
私は今新たな出会いに向けて歩み出す
ぶかぶかになった昔の服を捨て去って
身の丈にあった服を着て
私はここから歩み出す
わずかな光は夜の暗闇に吸い込まれてしまい
道の先は真っ暗闇だ
だが私は行かなければならない
ずっと昔にした約束を果たすために
私にもぬいぐるみの殻を破って
本当の私をさらす日が来るとは思わなかったが
昔の約束だけは果たさなくてはならない・・・
一方、2016年(平成28年)7月26日未明に神奈川県相模原市緑区の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で元施設職員が19名の障がい者を刃物で殺害するという悲惨な事件が発生しました。犯人は、「障がい者は世間に迷惑をかけるので生きている価値がない。だから、殺したのだ」と自供しました。
梨穂ちゃんは、この事件に心を痛め、5ヶ月後の12月23日に「やまゆりよ永遠に咲け」という詩を書きました。
やまゆりは無残に踏みしだかれてしまったけれど
やまゆりの花は静かに涙を流し、
そこに再びやまゆりの新しい芽が涙を吸って地上に姿を現した
この新しい芽にはそれまでのやまゆりにはなかった悲しみが宿っている
(中略)・・・・・・
だから私はやまゆりの新しい名前として
永遠(とわ)の悲しみのゆりという名前を与えよう
そうすればなくなった19人の命はけっして忘れられることはなく
ずっと語り継がれ
いつか本当のことが明らかになった日に
もう一度やまゆりを高くかざして
悲しみを本当の理解ととともによみがえらせて
新しい時代の始まりとしたいと思う
いかがでしたか?
わすか4編の詩の一部を紹介しましたが、読者の皆さんのイメージしていた常識を打ち破りませんでしたか。
私はそこに衝撃を受け、超一流の詩を読んで感動をいただきました!
梨穂ちゃんは胎内の記憶も一部覚えているそうです。そして、物心ついてからの記憶はしっかりと覚えていて、それが詩となって現れるそうです。
難しい言葉は、テレビ、読書等からインプットされ、普通の人なら直ぐに忘れてしまうことも、しっかりと覚えているそうです。
梨穂ちゃんは、生まれる前に、今世の両親を決めて産まれてきたそうです。そして、障がい者という厳しい人生の選択を選んだのは、障がい者も1つの魂をもった人間であり、アウトプットができないのは、アウトプット装置がないという理由だけだそうです。
従って、アウトプット装置を手に入れれば、健常者が持っていない能力を発揮することができ、それを世の中に伝えていくことが梨穂ちゃんの今世の使命と認識しているそうです。
第2版「らりるれろのまほう」は2015年に出版しました。
こちらも素晴らしい内容が凝縮されています。
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