「マーキュリー通信」no.390【57歳の誕生日の日に思うこと−2 「人生の目的と使命感」】  昨日は多数の方からお祝いのe-メールを頂きましてありがとうございます(^y^)  昨日書き足りなかったことを思いつくままに書いてみました。  「人生の目的」とは、昨日書きましたように、「本当の自分」を磨き、成長させていくことだということが理解できると、人生そのものに対する見方が変わり、大地に根を張ったようなしっかりとした人生を生き、人生をより充実したものとして受け止めることができるようになります。    人は、生まれる前に人生計画を立てると言われています。「菅谷信雄」という個性を持った一人の人間がどのような人生計画を立て、どのような人生を歩んできたのか。人生は筋書きのないドラマといわれますが、57年間生きてきて、そのことを実感します。人生という舞台を一生懸命生きぬいてきた「菅谷信雄」という一人の自分を見ることができます。そしてその中に時々「本当の自分」を垣間見ることでき、「本当の自分」の部分を磨き、光り輝かせることの重要性に気付かされます。  9年前、三井物産を定年扱い退職した時に、中学2年生の担任(英語)の鳥居士郎先生から「Giftとは神から頂いた才能であり、callingとは職業である。」というすてきな言葉を頂きました。  学生の頃、数学と英語が一番好きな学科でした。今回の人生は、敢えて文化系の道を選び、そちらのgift(才能)に磨きを掛けてきました。そして、学生時代も含めると実に多種多様な仕事をしてきました。specialistよりgeneralistの道を歩んできました。  因みに次回生まれ変わった時には、大好きな数学に磨きを掛け、アインシュタインを超えるような科学者を目指して生きていきたいと思っています。  さて、現在は世界最小の総合商社の経営者として、日々磨かれています。過去2年以上に亘り厳しく鍛えられてきました。  社長業という仕事は実に厳しいものです。資金繰り、人事管理、営業等実に多岐に亘る仕事があり、毎日夜10時頃まで仕事をして、土曜日も仕事をしています。  しかし、仕事を通じ日々成長できる喜びを感じています。時には判断ミスもします。気がついたら直ぐに反省し、反省材料を基に次の飛躍に繋げていきます。私自身経営者としてまだまだ未熟なところだらけですが、だから絶えず謙虚さを忘れず、もっと上を目指せるのだという希望と喜びが沸いてきます。  しかし、一方で何のために社長業をやっているのかという使命感がないとその頑張りにも限界があります。  私の夢は、一人暮らしの老人ホームを60歳の時に建設することです。日本も格差社会が進行し、人生の負け組が増加しています。その人達の受け皿となるような老人ホームを考えています。但し、経済的豊かさだけが勝ち組でなく、心の豊かさを追求した勝ち組社会を創っていきたいと思っています。その為老人ホームの名前を「ユートピア館」と命名し、心のコミュニケーションを通じ、心のユートピアを目指したそういった老人ホーム「ユートピア館」を全国に建設していきたいと思っています。  その為の資金作りをマーキュリー物産で行っているところです。私自身子供に恵まれなかったので、その分子供に掛ける時間も費用も必要としないので、そちらに自分の勢力をつぎ込んでいきたいと考えています。いずれマーキュリー物産の社長の座は誰かに譲り、NPO法人ユートピア建設を創り、そちらの理事長として100歳まで頑張っていきたいと考えています。    こういう夢や理想、使命感があると現在の社長業が厳しくても乗り越えることができます。「ユートピア館」の建設の方がもっと大変な仕事ですから、マーキュリー物産の経営者で値を上げているようだったら、次のステップに進むことができないわけですから。  そして、これが神から与えられたcalling(職業)と考えています。この「人生の目的」と使命感が達成された時が、神に対し「最高の自己を差し出す」ことができる時です。私がイメージする「最高の自己」と比べたら、現在の自分などはその1割にも達しません。だから神や仏の夢や理想実現に向かって仕事をしているとわくわくしてきます。そして、少々のことではくじけることはありません。57歳となった現在でも心身共に元気で働くことができるのです。私の元気印の源といえます。   「マーキュリー通信」no.389【57歳の誕生日の日に思うこと「諸行無常」】  本日は私の57回目の誕生日です。もし、私が引き続き三井物産に勤務していたなら、丁度旧定年退職の日に当たります。    三井物産では、officialには63歳が定年ですが、実質的には57歳の旧定年が定年となっています。57歳で皆一旦退職し、63歳まで三井物産に残って勤務し続けるか、関係会社に出向又は転籍するか、退職するかの道を選びます。  57歳になると役員昇格者以外は、役職が無くなり、年収も前年の6掛けとなります。従って、三井物産本社に残る人は余りいません。私自身は25年間三井物産に在籍し、9年前、48歳の時に定年扱いで退職しました。  私が三井物産に入社したのは、今から34年前の1972年4月。当時、今の自分と同じ57歳の物産マンはとてつもなく年配の人に見え、自分がその年齢になるのは遙か遠い将来に感じました。というよりそんな先のことなどぴんと来ませんでした。  あれから34年経ちましたが、実にあっという間という感じがします。走馬燈のようにあっという間に駆け抜けた感じです。これまでお世話になった方々のことに思いを馳せると、感謝の思いがわき、目頭が熱くなってきます。  そして、現在の心境は、「諸行無常」といった感じです。    「諸行無常」とは、仏教の教えで、「全てのものは移ろいゆくものである」という意味です。新入社員の時に、現在の私と同年代の人の大半はこの世にいません。この間、何千人もの物産マン、レディと職を共にしましたが、物故した方も多数います。大出世した物産マン、栄華を誇った物産マンで最早この世にいない人も多数います。その意味で、「諸行無常」といえます。     しかし一方で、「全てのものは移ろいゆくものである」という真理の中で、不変のものがあることに気づきました。それは、菅谷信雄個人の魂、心の有り様です。  34年の間に、社内外を通じ、公私ともに実に多数の人との出会いがありました。そして、青二才だった自分が、仕事を通じ、自分自身大いに鍛えられ、磨かれて現在の自分があることに気付きました。そして「本当の自分」に出会うこともできました。本来光り輝いている自分にも出会いました。  「本当の自分」を発見することで、これからも「本当の自分」を磨き、成長させていく喜びを知ることができました。この部分に永遠性を感じています。だから自分自身生涯現役のつもりで、第2の人生は、自分を磨きながら、世のため人のためになるような自分作りをしていこうと日々頑張っています。  「諸行無常」、「全てのものは移ろいゆくものである」という真理の下、もちろん肉体能力は34年前と比べ低下していますが、「本当の自分」を発見できたことが、社会人に出てからの34年間の最大の宝物の発見といえます。「本当の自分」とは、自分の心の中の砂金部分といえます。  私自身、100年生きるつもりで人生計画を立てています。こう思い、それに従った人生を送っていると、人生がわくわくしてきます。  後、43年、「本当の自分」を磨き、100歳になり大往生の時、「諸行無常」の下、肉体は滅びますが、永遠の存在である「本当の自分」、即ち「心の部分」を見つめ、大いに満足しながらあの世に旅立つ自分を予想する時、今後の人生が大いに楽しいものに思えてきます。  もちろん、計画通り100歳にならないうちにこの世を旅立つ時も、このような人生観・死生観を持って、生きていく時、死は恐怖でなく、仏の慈悲と感じ、楽しみを持ってあの世へと旅立つことができます。